昨秋に、23時まで登り続けたが、天候悪化にて敗退した未踏の壁にリベンジ。
今回は天候も安定しており、前回の敗退ポイントには、14時に到達することができた。
ここまでかかった時間は約9時間。頂上までは直線距離にして、後150mほどだ。
高揚した気持ちを抑えながら、上を見上げると、そこには絶望的なほど急な壁が左右1㎞以上延々と続いていた。
どこかに弱点はないか。
急で不安定な雪壁を右往左往したが、自分のクライミング能力では、安全に登れるルートを見出すことが出来なかった。
氷が張っていれば、登れるかもしれない。
そう思いながらも、雪崩の危険性とルートの状況がぴたりと合致する可能性は限りなく低い。
そこに費やすリスクと労力を考えると、ここに戻ってくる可能性は無いだろうなと心の中で思う。
去年からずっと頭の片隅にあったプロジェクトが、不成功という結果で終わった事は残念だが、
ロッキーに残された冒険的なラインを求め、これからもミレーと共に山を駆け回りたい。